トライバルラグとは、イランに住む部族が手織りで作る、独自の文様や幾何学模様の描かれた敷物です。素材はウールで、染色も草木染がほとんどです。
織り方は、ギャッベやペルシャ絨毯とほぼ同じで、織目の細かさはギャッベと同程度。しかし、デザイン性はギャッベよりペルシャ絨毯に近く、伝統的な文様やその部族のもつ独自のマークが、幾何学模様などと織り交ぜられて、描かれています。
主に、部族の女性が家庭で織り上げるものが多いのですが、家庭で作り上げたとは思えないようなデザイン性の高さや、独特な色使いなど、1枚ごとに全く違った表情を持っているので、海外でも高い人気を得ています。
床に寝かせた織り機を使って織っていくため、ゆがみが生じてしまったり、途中でデザインが変わってしまったりするのですが、それもこのハンドメイドの味わい深さ。
使用する素材のウールを染める際も、必要最低限の量だけを染めるので、織っていくうちに素材のウールが足りなくなることがあります。その際はウールを追加し同じように染めるのですが、最初に染めた色と全く同じ色には染まらないため、途中からラグの色が少し違ったり、部分的に色の違う、「染斑」と言われるムラが生じることもあります。
オールドのラグは、作られてから数十年といった歳月を経たものになります。それだけに、パイルは摩耗して所々短くなってしまっていたり、フリンジが短くなってしまっていたり、端がほつれていたりする場合があります。
ですが、ラグの表面には経年変化による毛ヅヤが表れ、とても味わい深い色味をしています。パイルには、シルクのペルシャ絨毯とおなじように、順目と逆目のような毛の流れが形成されているものも多く、見る角度や光の当たり具合によって色の濃淡が変わり向きによって様々な表情を見せてくれます。
手織りならではの不均一さや柄のゆがみを、そのラグの個性として楽しみながら使える方、ギャッベのような明るい色使いより落ち着いたトーンのラグをお探しの方には、「カジュアルなペルシャ絨毯」ともいえる、トライバルラグもおすすめです。
現在、
haluta karuizawa instock showroom にて展示または保管中です。